項の順序
イジェール語では、助詞によって文中における意味関係が示される。関係節内では動詞が末尾につく(副詞的用法の記述詞がある場合は動詞の後ろ)という制約は厳しいが、それ以外での制約は緩い。記述詞の順序にも制約は基本的にないが、話者が本質的であると思っている要素ほど名詞の近くに来る傾向がある。
項の省略
文脈と文構造から明らかな要素は省略してもよい。日本語話者にとってわかり易い例を挙げると、明らかに自分の行動であると分かる場合は主語を省略することが出来たり、属格の形容対象を省略できたりする。
例
“Mon tire tun u.”
「そんなこと言うなよ。」
記述詞のtunは「そんな」という形容詞用法なので、venu|こと が省略されていると考えることができる。
“Mon tire tun.”
「そんな風に言うなよ。」
意味は似ているが、後者の言い方では内容よりも口ぶりや口調に焦点を当てている。
口語的な省略
乱暴な口語としての省略は、アクセント位置を含む末尾2音節を保存する。KrongiskaはGiskaとなり、AikarsemはKarsemになる。この手の省略は専ら挨拶語に対して適用されることが多い。
例
“Han, res oskurbarenu sien are.”
“Res u min cegire?”
“Ia, krongiska.”
「あれ?俺の鉛筆がない。」
「俺のを使うか?」
「ああ、ありがとう。」
2行目の文は”Mef res oskurbarenu min cegire?”が正式な言い方である。対格を示す助詞”u”の存在によってResの後の名詞の存在が示されているので、この場合は省略しても良い。
“Han, barenu sien.”
“Res u cegire?”
“Giska.”
「あれ?鉛筆ねえ。」
「俺の使う?」
「あり」
おそらく最小の構成。文語ではまず現れないレベルの省略で、文脈によってはネイティブでも意味が取りづらい。
間が開いてしまったが,1日目,2日目,3日目の続き.
この日はボービントン戦車博物館を訪れた.相変わらず周囲には何もない土地で,駅からの風景は田舎そのものである.
こういう光景が全面にわたって広がっている.風景を見るだけでもなかなか美しい.
さて,戦車博物館の中はこのようになっている.公式ホームページを見ると地図を見るとわかるが,WW2ブースや戦後ブースなどがあって,かなり広い.正直,写真で内部を紹介したブログなんかはたくさんあるので,詳細はそういうサイトを見てもらったほうが良いと思う.
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【天地明察:冲方丁 著】を読み終わった.改暦に関する話というよりは,渋川春海伝といったほうが正確な気がする.軍事政権の独裁者としての武士から,文治政治の主である文官としての武士への変革の時代を生きた人間の話だ.
暦の具体的な計測方法だとか,計算方法についての具体的な描写が出てくるわけではない.メインは渋川春海がたくさんの天才たちや秀才たちと出会うことで受けた驚きや,人生の変化を追っていく話である.
伝記が好きな人にはオススメだと思うし,単純に描写が美しいと思うことが多かった.そもそも,自分はあまり伝記を読む人間ではないが,それでも面白いと感じた.
【虐殺器官:伊藤計劃 著】を読み終わった.
ネタバレにならない範囲であらすじを述べておく.この小説は,アメリカ情報軍所属の特殊部隊員である主人公,クラヴィス・シェパード大尉が世界中の虐殺を先導して回る「ジョン・ポール」なる人物を追いながら,その真意に迫っていく物語だ.
物語の道具としては,サピアウォーフの仮説をはじめとした言語の本能に纏わる話,進化と良心や虐殺や倫理観に纏わる話,脳や意識は決して一枚岩ではなくモジュールが連合して動いているのだという話が用いられる.利己的遺伝子についての話を知っていると,理解の助けになるだろう.
自分には,最初この話は2つの主題があるように見えた.ひとつは,クラヴィス大尉が思い悩む「死者の国」についての話で,もうひとつはジョン・ポールを中心とした虐殺と進化についての話だ.でも,この2つの物語は後半で交錯して来る.そして,そこから最後に至る展開は怒涛としか言えない.
とても面白い話だった.
1日目,2日目の続き.
3日目はコスフォードの空軍博物館を訪れた.乗換駅であるバーミンガム駅の周辺も少しだけ見て回った.
ロンドンのユーストン駅から出発して,まずバーミンガムに向かう.
実は,地図を見ればわかるが日に日に遠出になっているので,朝出る時間も日に日に早くなっている.この日は確か5時起きだっただろうか?チケットを券売機で買っても1時間近く余裕があったので,適当に食事を取りながらプラットフォームが決まるまで待った.出発20分前くらいにならないと,どのプラットフォームから出発するかわからないのだ.
ユーストンで乗った電車はこういう電車だ.前半と後半で行き先が違う編成だったので,乗ってから移動する必要があった.この日は出発が若干遅れていたので,1枚目の写真ではプラットフォームに沢山の人がいる.
電車に1時間半くらい揺られると,英国第二の都市バーミンガムに到着する.ロンドンとは雰囲気が違う大都市だった.
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1日目の続き.
2日目はダックスフォードの帝国戦争博物館へ行った.
いきなりハリケーンくんがお出迎えしてくれる.正直スピットファイアとハリケーンの見分けが全然ついていなかったが,日本に戻ってきてから調べて,翼の形と主脚の引き込み方向の違いで区別できるようになった.
ここは航空機が多いものの,それだけではなく装甲車両も沢山おいてある.それも,WW2の頃から戦後の車両まで,かなりの数だ.この博物館を見るだけで丸一日かかった.
コンコルドも居る(試作機).中は非常に狭く,多分新幹線よりも狭い.座席数も少ない.とはいえ,やはり旅客機というのは外形は相応に大きいもので,この建屋の中では最大級の機体だった.この機体は量産機ではなく試作機だそうで,民間機なのになぜ戦争博物館に置いてあるのかは説明していたと思うが,聞きそびれてしまった.
英仏共同開発なので,出口の表記も英語のExitとフランス語のSortieの双方が書いてある.
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そういえば,先日イギリスに旅行に行ってきたので写真日記っぽいものを書いてみようと思う.
羽田空港からヒースロー空港を使う旅行で,イギリスに5日間(そのうち観光に使えるのは3.5日程度)という旅程だった.ミリオタの友人と一緒に回って,
- 初日(半日)でロンドン
- 2日目にダックスフォードの帝国戦争博物館
- 3日目にコスフォードの空軍博物館(とバーミンガム)
- 4日目にボーヴィントン戦車博物館
を見るという感じで回った.
到着すると,まずこんな感じの表示があった.Border Forceとあるが,入国に関する事は国境警備隊的な組織が管轄しているらしい.私は前にもイギリスに行ったことがあったので経験があったのだが,イギリス訛りの英語は自分にとっては異様に聞き取りづらくて困る.入国管理のゲートのところの簡単な質問ですら,最初はかなり面食らった.
ヒースロー空港に乱立する謎の手押し車オブジェ.何でここに大量にあるのかは結局謎.誰か教えて……
写真が多いので続きは格納.
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