「完璧な涙」読了
- 2014年04月20日
- 書評
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【完璧な涙/神林長平 著】を結構前に読み終わった.感情が一切ない少年である宥現,と魔姫と呼ばれる旅の女が,「それ」と呼ばれる古の戦車からの逃走劇を軸に,感情と時間について思いを巡らせる作品.
核心についてはネタバレなしで紹介しておく.
かなり難解な話だった.正直,戦闘妖精・雪風シリーズよりよほど難しい.また,主人公の宥現は本当に感情がないという珍しいキャラクターだ.雪風の主人公,深井零も情動が薄いように書かれるものの,クールに振舞っている零とは違って,完全に人間味がない.雪風というマシンと零という人間の対比が面白い戦闘妖精・雪風と比べて,「完璧な涙」の宥現と「それ」は完全に同じ立場にある.
少しづつ読むと意味不明になるので,一気に読むのがオススメ.幸い,文章自体が読みにくいわけではなかった.