「天地明察」読了
- 2014年04月02日
- 書評
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【天地明察:冲方丁 著】を読み終わった.改暦に関する話というよりは,渋川春海伝といったほうが正確な気がする.軍事政権の独裁者としての武士から,文治政治の主である文官としての武士への変革の時代を生きた人間の話だ.
暦の具体的な計測方法だとか,計算方法についての具体的な描写が出てくるわけではない.メインは渋川春海がたくさんの天才たちや秀才たちと出会うことで受けた驚きや,人生の変化を追っていく話である.
伝記が好きな人にはオススメだと思うし,単純に描写が美しいと思うことが多かった.そもそも,自分はあまり伝記を読む人間ではないが,それでも面白いと感じた.