本日の変更点は,結構大きな変更点なので記事にも纏めておこう.
- 関係詞zeに格標示機能が追加された.これにより正しく関係代名詞となった.また,fom ze mareが「見た人」なのか「見られた人」なのか曖昧であるという問題も,fom zef mare 「見た人」,fom zu mare 「見られた人」と明示されることで区別が可能になった.
- これに伴い,動詞の連用形は廃止された.元々,fom ze mare = fom maren, fom ze ref mare = fom res maren というように,属格と組み合わせてze節を代用できる用法があったが,これは廃止される.
元々,動詞の連用形を用意したのは,どんなに短い節でもzeを使わないと名詞を修飾できないためであった.日本語なら「見ることをする人」なんてわざわざ言わなくても,「見る人」で良いし,英語なら「a man who watches」なんて言わずとも,「a man watching」で良い.こういう手軽さがイジェール語にも欲しかった.
-enという連用形を用意して,その動作主を属格で表す方法自体は,日本語でも「神の怒りの日」とか,英語でも名詞に近い動名詞なら動作主を所有格で表すことはできるので,特別変わった方法ではない.しかし,イジェール語では-inが「~される状態の」という形容詞,-enが「~する」という意味で区別することになり,能動と受動の区別がiとeという母音ひとつで識別されることになる.これは聞き間違いやすく,ze節の曖昧さを回避するという本来の目的にそぐわない.
結局,「曖昧である」という問題が「聞き取りにくい」という問題に置き換わっただけで,何も変わらない体系では意味が無い.そこで,今回の変更に至った.
これで問題があるかどうかは,もう少し例文を交えて考えていくことにしたい.
辞書・フォントDLページを公開してみた.一応web辞書は公開しているものの,PDIC用の辞書そのものを公開しておいたほうが,便利なようである.
あと,フォントはこれは確実に公開しておいたほうが便利だろうと思うので公開してみる.
今まで使っていたイジェール・ジオメトリック・サンセリフフォントに,大文字を追加した.
これによって,固有名詞や略称を含んだ(つまり大文字を含んだ)文字列も正常に表示できるようになったので,これに合わせてオンライン辞書にイジェール文字による表示機能を付けた.アップロードしてあるフォントファイルを読み込んで表示するので,閲覧者のPCにフォントがインストールされていなくても読める.
次にやろうとしているのは,筆記体フォントの作成と単語の拡充である.単語拡充は永遠の課題として,筆記体の方は形状の策定は終わっている.
こんな感じ.全体的にラテンアルファベットの筆記体よりも折り返し?が多くて書きにくそうだが,昔のドイツ式の筆記体なんかを見ると,これでもやっていけるだろうという気になる.
取り敢えず,足元の地固めは大方済んだ.動詞のアスペクトもそれなりに考えたし,派生の基本的なルールも揃えたので,あとはひたすら造語していくだけだ.まずは大々的な例文が書けるくらいの語彙数には持っていきたい.特に,現在のイジェール語は動詞周りの策定が遅れたせいで,1000語以上あるにもかかわらず動詞が150語程度しかないと言うバランスになっている.基本の動詞はさっさと追加していかないと,文章作成もおぼつかない.
動詞を増量する前に,動詞の分類についてまとめておこうと思う.
によると,動詞はいくつかの属性で分類できる.
- 結合価による分類
- 相による分類
- 意志による分類
- 視点による分類
の4つである.それ以外に考えらえるのは
- 語形変化による分類
- 敬意による分類
- 成立過程による分類
- 定不定による分類
等が挙げられそうだ.
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地下鉄環状線の運行表示板できた!これはホームに据え付ける.これの他には「列車が来ます」の電光掲示板しか存在しないので,ホーム上の位置によっては情報が見難くて不便.
はし
もともと「はし」は、「箸」、「橋」、「端」のように間のあるものを意味する語として使われていた。鳥の「くちばし」もそうである。このよういに「やまとことば」の「はし」はゆたかな意味をもっている。
め、はな、み(み)
ところで、古代人は、顔を体から独立した別個の生命体と考えていたようである。つまり、め「芽(目)」をだしたり、はな「花(鼻)」を咲かせたり、み「実(耳)」を結んだりするものと考えていた。
日本語史講義ノートより引用
これはなかなか興味深い.こういうの見てると,イジェール語にも古語というか,造語用の語根群をつくろうかという気になる.ちょっと作ってみよう.
ひょんなことからテルミンって単語を作ってみよう!と思ったので自分なりのプロセスを書いておこう.
まずテルミンについて調べる
テルミンは元々ロシアの楽器で,ロシア語だとТерменвокс(チルミンヴォークス)に近い発音の物らしい.近接レーダー研究の副産物として生まれた代物で,大々的に広まっているわけではないが熱狂的なファンが居る…という代物.簡単なものなら自作できるらしい.ということは,電子工学の下地が無いと維持できないが,そこまで高度な技術や設備は必要ない訳だ.
テルミンがどういう由来でイジェール王国に入ってくるか考える
イジェール王国は宇宙移民船団の末裔で,そのルーツは地球にある.なので,出港時点ではテルミンについて知識はあっただろうし,物好きが1台くらいは持ちこんだり作ったりしてるだろう.とはいえ,その後混乱期が訪れて,過去の記録とはこの時期に殆ど断絶している.生きるのに必須ではない上,ピアノやヴァイオリンの様に社会的ステータスに結び付くわけでもないテルミンがこの時期を生き残れるとは思えない.という訳で,「地球に居たころからの慣習でもともとある」という説はなくなる.
長いのであとは続きで
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