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助詞(後置詞)と格

助詞とは、いわゆる後置詞である。英語の前置詞、日本語の助詞と同様の働きをし、名詞の文中における役割を示す。名詞に対しては接尾辞の様に接続させて書き、その他の品詞の後ろにつく際は離すのが正式な書き方である。句や節を修飾する際は、最後の単語が名詞なら助詞は分かち書きせずそのままつける。一方、最後の単語が記述詞や動詞なら、助詞はスペースを空けて分かち書きする。

下表において、カッコでくくられている母音は、名詞が子音で終わった場合にのみ現れる。

表記 対応する日本語助詞
(厳密には意味が異なる場合がある)
主格 -(e)f は、が
属格 -(i)s の(所有)
対格 -u
与格 -ni に、へ(目的地)、(時間、場所)まで
呼格 -a よ(呼びかけ)
奪格 -hur (人、物)から
出格 -ur (場所、時間、数)から
処格 -ra (場所、時間)で
向格 -nir の方向へ、(数)まで
経由格 -di (場所)を通って、(期間)を通じて
具格 -du (手段)で、(理由)で
駆動格 -tim (人、物、事)の目的で、(人、物、事)が原因で
使役格 -ior (人)によって

これらの内、特に主格、対格の2つは主要格と呼ばれる。

呼格による格標示の上書き

呼格は他の格を上書きしてしまう。要するに日本語の「~よ」と使い方は同じである。また、文頭に持ってくることが多い。文頭に呼格が現れた場合、その直後には読点を打つ。

例文/訳文 着目すべき点
Pabria, kuu mare. | 人々よ、これを見よ。 元の文”Pabrif kuu mare”の主格助詞が呼格に上書きされて消えている。
Ref kuvera fuk dirin ur fuk badon ni mirafe. | 私はここで赤い列車から青い列車に乗り換える。 出格の-urが記述詞の後ろにあるため、離して書く。
Ref 2s u reeke. | ふたり目が好みだ。 2sの後にはfom(人)が省略されている。この場合は対格のuは離して書く。

発音上の注意点

いくつかの代名詞は、格変化した際に綴りと一致しない特殊発音となる。アクセント位置が通常と異なるものもあるので、注意が必要である。

表記 発音
reu /rU/
rea /rA/
meu /mU/
mea /mA/
narau /narU/
naraa /narawA/

新出単語

品詞 単語 音素 発音 意味
名詞 pabri /pAbri/ パーブリ 人々
動詞 mare /mAre/ マーレ 見る
名詞 fuk /fUk/ フーク 列車
記述詞 dirin /dIrin/ ディーリン 赤い、赤く
記述詞 badon /bAdon/ バードン 青い、青く
動詞 afe /Afe/ アーフェ 乗り換えさせる
動詞 reeke /rewEke/ レウェーケ 好む

代名詞と疑問詞

代名詞

イジェール語に於ける代名詞を下表に示す.不定称とは「誰か」や「何か」にあたる語で,疑問代名詞は別にある.複数形は一般名詞と同様 -(a)ri を複数接辞として規則的に適用する.

人称 基本形 クラス
1人称 re
2人称 me 親称
nara 敬称
3人称 s’a 有生
su 無生
不定称 dega 有生(誰か)
nega 無生(何か)
否定 mod 有生(Nobody)
mong 無生(Nothing)
全称 mad 有生(Everybody)
mang 無生(Everything)

naraは正確には敬称ではなく疎称と言ったほうが正確で,地位や立場が話者から見て離れていることを示している.なので,「お前は何を言ってるんだ」や「てめえの好きにしろ」はnaraで表す.話者が相手を突き放していることを示していると見ても良いし,皮肉っていると見ても良い.本来親称を使っても良い場面で敬称を使用すると,罵倒になり得るということである.

指示代名詞

指示代名詞および疑問代名詞は下表の体系となっている.

事物 場所 時間 記述詞
近称 ku kuve kuc kun
遠称 tu tuve tuc tun
不定称 nega neve nec nen
否定 mong move moc mon
全体 mang mave mac man

記述詞は「この様な/この様に」といった意味を持つ.

疑問詞

単語 意味
sefom
seven
seve どこ
sezik いつ
setem どのくらいの期間
sera どちらか,いずれか

品詞と語順

品詞

品詞は名詞,動詞,記述詞,助詞,接続詞,間投詞の6種である.
記述詞は名詞につけば形容詞的用法,動詞や形容詞につけば副詞的用法となる.基本的に文脈で判断する.
接続詞は文の構成要素同士の関係を示す.節と節,句と句など,同等のものを並べるのがふつう.
助詞は付属語で,名詞相当句なしに用いることはできない.基本は後置だが物によっては前置する.
間投詞はそれ単体で感嘆文として成立し得る語である.挨拶や,「えーと」「いやー」等の反応に相当する.

語順

語順は主語,目的語,動詞の順に単語を置くSOVである.助詞は後置し,修飾語は後置する.ただし,記述詞の内の一部と所有属格(-s)は前置する.これにより,日本語とも英語とも異なった語順になる.

音節

開音節,閉音節の両方を持つので,日本語のように全部母音で終わるということはない.子音をC,母音をVで表記すると,CCVCCが最長である.日本語のCVよりは長く,英語のCCCVCCC(strengthenなど)よりも短い.

文字と発音

文字

イジェール語の表記には、5母音15子音からなるイジェール文字を用いる。

イジェール文字には大文字と小文字があるが、大文字が用いられることはほとんどない。大文字が用いられるのは

  1. 文の頭文字
  2. 文章中の強調
  3. 接続詞を除く、固有名詞句の各単語の語頭
  4. 略語

等である。書籍や映画のタイトルは、固有名詞と同様に表記する。いずれの用法も外国語の影響によるもので、本来のイジェール文字にはなかった用法である。

HKS順

母音を上段に、子音を下段3段にわたって表記するのが正式な文字順序である。この順序はmakudi HKSn (hekesen)と呼ばれる。表記の都合で一列に表示される場合はeaoiuhkstcnrmpfgzdbvで表される。なお、辞書順としては変音記号が無視されるため、teh、t’ek、tesは左記の順に並ぶ。

文字表と代用表記

一般的に用いられる文字表は、このような順序で表記される。上が大文字で、下が小文字である。

文字

代用表記を下に併記する。

e a o i u
h k s t c
n r m p f
g z d b v

cはツァ行の転写記号としているので、注意が必要である。

また、ダイアクリティカルマークの「’」は変音記号と呼ばれており、特定の子音について発音を変化させる。s, t, c, n, z, dは調音点が後退し、rだけは巻き舌のrに変化する。変音記号付き文字は通常リスト化されないが、表にすると以下のようになる。

s’ t’ n’ r’ z’ d’

近年では母音に付く場合もある。母音に変音記号が付く場合、その音節にアクセントが移動する。この表記法は特に外来語の表記に用いられる。

文字と発音

音素表記上で大文字・小文字の差が音声の差を表すことはない。なので、アクセント位置の母音を大文字にして示すことがある。子音の中には有気音であるとの記載があるものがあるが、イジェール語では有気音か無気音かは弁別性を持たない。強勢がある母音の直前の子音は有気音として発音されるが、それ以外の子音は全て無気音として発音されるのが普通である。

文字 文字名称 読み(文字名称) 標準音価(IPA) 音素表記 発音上の注意
e e エー [ɛ][e̞] /e/ 日本語のエよりアに近い。強勢が無い場所では日本語と同じ。
a a アー [a] /a/
o o オー [ɔ][o̞] /o/ 日本語のオより口の奥をを丸く開く。強勢が無い場所では日本語と同じ。
i i イー [i] /i/ 日本語のイよりも口を平たくする。
u u ウー [u] /u/ 日本語のウよりも唇を丸めて突き出す。
h he ヘー [x] /h/ 喉の奥を接近させてから開放して出す「ハ」。
k ke ケー [kʰ][k] /k/ 強勢がある場合、子音を発音してから母音を発音するまで溜めがある(有気音)。
s es エス [s] /s/
t te テー [tʰ][t] /t/ 強勢がある場合、子音を発音してから母音を発音するまで溜めがある(有気音)。
c ce ツェー [t͡sʰ][t͡s] /c/ 強勢がある場合、子音を発音してから母音を発音するまで溜めがある(有気音)。
n ne ネー [n] /n/
r er エル [ɾ] /r/ 日本語のラ行と同じ。
m em エム [m] /m/
p pe ペー [pʰ][p] /p/ 強勢がある場合、子音を発音してから母音を発音するまで溜めがある(有気音)。
f fe フェー [f] /f/
g ge ゲー [g] /g/
z ze ゼー [z] /z/
d de デー [d] /d/
b be ベー [b] /b/
v ve ヴェー [v] /v/
t’ t’e チェー [t͡ʃʰ][t͡ʃ] /t’/ 文字名称はt cienzin(変音t)ということもある。
s’ s’e シェー [ʃ] /s’/ t’同様にs cienzinとも。以下同様。
n’ n’e ニェー [ɲ] /n’/
r’ er’ エル [r] /r’/ 巻き舌のr。
d’ d’e ヂェー [d͡ʒ] /d’/ ジャ行が語頭に来たときの子音と同じ。舌を上顎につけて、一旦閉鎖する破擦音。
z’ z’e ジェー [ʒ] /z’/ ジャ行が母音に挟まれた時の子音と同じ。舌は上顎につかず、空気が抜ける音がする摩擦音。
[j] /y/ ヤ行の子音。半母音扱いで、対応した文字はない。
[β̞] /w/ ワ行の子音。半母音扱いで、対応した文字はない。

半母音挿入

母音が連続した場合、半母音が挿入されることがある。これらの綴りでは(例え単語を隔てていたとしても)義務的に発生する。

綴り 実際の発音
i+母音 /iy/+母音
ii /iwi/
u+母音 /uw/+母音
aa /awa/
oa /owa/
oo /owo/

以下はどちらかの母音に強勢がある場合のみの半母音挿入である。

e+母音 /ew/+母音

品詞 単語 音素 発音 意味
記述詞 akserin /aksErin/ アクセーリン 戦いの
名詞 asderi /asdEri/ アスデーリ 歴史
名詞句 asderi akserin /asEriyaksErin/ アスデーリヤクセーリン 戦いの歴史
名詞 veesvedena /veesvedEna/ ヴェエスヴェデーナ 衛星
名詞 neer /nEwer/ ネーウェル
名詞句 Ziranda Erdesan /zirAndaerdEsan/ ズィラーンダエルデーサン ニュージーランド

Blender+FreeStyleとSmokeの組み合わせ

FreeStyleの描写とSmokeを組み合わせてみたら,不都合が出てきた.

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画像左上のドラム缶的な燃料タンクのところを見ると,そこだけ輪郭線が無いのがわかる.これは,FreeStyleでそのままレンダリングすると,Domainの箱の枠線が描写されてしまうということと絡んだ問題になっている.

試しにSmokeと普通の物体を組み合わせた状態でレンダリングしてみるとこうなる.

FS
この状態だと,Domainの枠線が表示されてしまっている.しかも,透明なオブジェクトとして処理されているわけではないので,向こう側の線は標示されていない.他の物体と貫通させてみると顕著に分かる.

KP
しかもなんか色々と変.

これを防ぐ方法として,FreeStyleのLineSetで除外Groupを設定してそこにDomainを突っ込んでみた.するとこうなる.

ExG

ex
右下部分以外の線が消えてしまった.

おそらく,Domainは透明オブジェクトとして設定されているわけではないので,Domainと重なっている部分が描写されずに切れてしまってるためだと思われる.そこで,RenderLayerを二つに分けて,線以外を描写するレンダーレイヤーと線のみを描写するレンダーレイヤーに分け,それぞれのレンダーレイヤーに対応させるレイヤーを分けてみる.

RLl
こんな感じ.

そして,それに合わせてCompositeNodeを以下のように組んでみた.

CN

すると,下の様な画像が出力される.

1

これで期待通りの画像が出力される.レンダリングにかかる時間も,体感ではそこまで伸びた感じはしない.動画作成時にも実用できる方法だと思う.最初の画像にこれまでの方法を適用した画像を示しておこう.

27s

アンドロイドの調整,FreeStyleに挑戦

先日のアンドロイドように,ゴーグルを作ってみた.

ゴーグル新調
中々様になっている.

とはいえ,アンドロイドはHUDを見る必要が無いので,こんなの必要ないといえば必要ない.設定上の本来の用途は,表情が変わらないアンドロイドが何を考えてどう行動しているのかを外部表示するための,表示機器である.

TEST
こんな感じで.

また,Cyclesの扱いにある程度慣れてきたので,FreeStyleに手を出してみた.輪郭線が出るタイプのレンダラで最も美しく輪郭線が出ると思っているVidroと比較してみると,こんな感じになる.

T-2v

T-2f
上がVidroで,下がFreeStyle.どちらもモデルは同じである.

Vidroは何も考えずにきれいな輪郭線を出してくれるが,FreeStyleは色々と調整しないといけない.逆に言えば,調整の余地がかなりあるので習熟すれば使えるんだと思う.現在困っているのは,主に物体同士が貫通してる時に輪郭線を表示してくれないことだ.例えば,Vidroの画像では,側面のサイドスカート部分を見ると,ヒンジと車体の切れ目の部分には輪郭線が引かれている.一方で,FreeStyleのほうは輪郭線が無い.これを踏まえて画像全体を見直すと,こういう貫通パーツ全体に輪郭線が表示されていないのが分かる.

何とかしたいところだけど,FreeStyleの資料ってどこかにないかしら?自分でもいろいろ探ってみようとは思う.