助詞(後置詞)と格
- 初版:2013年09月29日
- 更新:2023年11月05日
助詞とは、いわゆる後置詞である。英語の前置詞、日本語の助詞と同様の働きをし、名詞の文中における役割を示す。名詞に対しては接尾辞の様に接続させて書き、その他の品詞の後ろにつく際は離すのが正式な書き方である。句や節を修飾する際は、最後の単語が名詞なら助詞は分かち書きせずそのままつける。一方、最後の単語が記述詞や動詞なら、助詞はスペースを空けて分かち書きする。
下表において、カッコでくくられている母音は、名詞が子音で終わった場合にのみ現れる。
格 | 表記 | 対応する日本語助詞 (厳密には意味が異なる場合がある) |
主格 | -(e)f | は、が |
属格 | -(i)s | の(所有) |
対格 | -u | を |
与格 | -ni | に、へ(目的地)、(時間、場所)まで |
呼格 | -a | よ(呼びかけ) |
奪格 | -hur | (人、物)から |
出格 | -ur | (場所、時間、数)から |
処格 | -ra | (場所、時間)で |
向格 | -nir | の方向へ、(数)まで |
経由格 | -di | (場所)を通って、(期間)を通じて |
具格 | -du | (手段)で、(理由)で |
駆動格 | -tim | (人、物、事)の目的で、(人、物、事)が原因で |
使役格 | -ior | (人)によって |
これらの内、特に主格、対格の2つは主要格と呼ばれる。
呼格による格標示の上書き
呼格は他の格を上書きしてしまう。要するに日本語の「~よ」と使い方は同じである。また、文頭に持ってくることが多い。文頭に呼格が現れた場合、その直後には読点を打つ。
例
例文/訳文 | 着目すべき点 |
Pabria, kuu mare. | 人々よ、これを見よ。 | 元の文”Pabrif kuu mare”の主格助詞が呼格に上書きされて消えている。 |
Ref kuvera fuk dirin ur fuk badon ni mirafe. | 私はここで赤い列車から青い列車に乗り換える。 | 出格の-urが記述詞の後ろにあるため、離して書く。 |
Ref 2s u reeke. | ふたり目が好みだ。 | 2sの後にはfom(人)が省略されている。この場合は対格のuは離して書く。 |
発音上の注意点
いくつかの代名詞は、格変化した際に綴りと一致しない特殊発音となる。アクセント位置が通常と異なるものもあるので、注意が必要である。
表記 | 発音 |
reu | /rU/ |
rea | /rA/ |
meu | /mU/ |
mea | /mA/ |
narau | /narU/ |
naraa | /narawA/ |
新出単語
品詞 | 単語 | 音素 | 発音 | 意味 |
名詞 | pabri | /pAbri/ | パーブリ | 人々 |
動詞 | mare | /mAre/ | マーレ | 見る |
名詞 | fuk | /fUk/ | フーク | 列車 |
記述詞 | dirin | /dIrin/ | ディーリン | 赤い、赤く |
記述詞 | badon | /bAdon/ | バードン | 青い、青く |
動詞 | afe | /Afe/ | アーフェ | 乗り換えさせる |
動詞 | reeke | /rewEke/ | レウェーケ | 好む |