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発音細則

  • 初版:2013年09月30日
  • 更新:2024年07月20日

発音細則

ここでは、アルファベットと発音で扱っていない、より詳細な音声についての情報を提供する。 イジェール語の発音は日本語の発音とは異なる部分があり、特に有気音をしっかり発音するかで大きく印象が変わってしまう。

母音

音声

母音には短母音と長母音がある。二重母音はない。 強勢のある音節で長母音化し、強勢のない音節では短母音となる。

前舌 中舌 後舌
[i(:)] [u(:)]
半狭
中央 [e̞] [o̞]
半広 [ɛ:] [ɔ:]
[a(:)]

音素

音素 強勢あり 強勢なし
/e/ [ɛ:] [e̞]
/a/ [a:] [a]
/o/ [ɔ:] [o̞]
/i/ [i:] [i]
/u/ [u:] [u]

母音は広めの母音が多いが、日本語と同じく5母音体系であるため、日本語のアイウエオでも通じる。中央母音は半広母音の強勢のない音節における異音である。
日本語と比較すると

  • [a]は日本語と同じ。
  • [i]は日本語の「イ」よりも舌の最高部が口の前側に寄っている。口を平べったくして発音するイメージ。
  • [u]は円唇母音であり、日本語の「ウ」よりも唇を丸く突き出す。
  • [ɛ]は日本語の「エ」よりも口を開くので、「ア」と「エ」の間の「エ」寄りの音になる。
  • [ɔ]は日本語の「オ」よりも口を開くので、口の奥から喉にかけてを「オ」よりも開く必要がある。
  • [e̞][o̞]は日本語と同じ。

となる。

子音

音声

両唇音 唇歯音 歯茎音 後部歯茎音 硬口蓋音 軟口蓋音 口蓋垂音 声門音
破裂音 [p][pʰ][b] [t][tʰ][d] [k][kʰ][g] [ʔ]
破擦音 [t͡s][t͡sʰ] [t͡ʃ][t͡ʃʰ][d͡ʒ]
鼻音 [m] [ɱ] [n] [ɲ]
摩擦音 [f][v] [s][z] [ʃ][ʒ] [x]
ふるえ音 [r]
はじき音 [ɾ]
接近音 [β̞] [j]

音素

音素表記されるときは、後部歯茎音と硬口蓋音は通例まとめて表記される。後部歯茎音と硬口蓋音は対立が無いので、実際にはどちらで調音しても異音として許容できる範囲だからである。

唇音 歯茎音 硬口蓋音 軟口蓋音
破裂音 /p/,/b/ /t/,/d/ /k/,/g/
破擦音 /c/ /t’/,/d’/
鼻音 /m/ /n/ /n’/
摩擦音 /f/,/v/ /s/,/z/ /s’/,/z’/ /h/
ふるえ音 /r’/
はじき音 /r/
接近音 /w/ /y/
  • /c/は[ts]と対応し、/h/は[x]と対応している。
    • /h/に対応する有声音は無くなり、/k/同様に/g/に同化している。
  • /C(子音)’/は基本的には舌尖で調音していた位置に舌端を持ってくることを表す記号である。
    • /t’/は[t͡ʃ]の音で、チャ行の子音に近い。
    • /s’/は[ʃ]の音で、シャ行の子音に近い。
    • /n’/は[ɲ]の音で、ニャ行の子音に近いが、舌尖の位置が下の歯茎で、舌端が硬口蓋に接触する点が日本語と異なる。
    • /r’/は[r]の音で、巻き舌のrである。この子音だけは”‘”の規則性から全く外れているので注意が必要。
  • /p/,/t/,/k/,/c/は音節頭では有気音になり、音節末では無気音になる。”‘”がついても同様に頭で有気、末尾で無気である。
    • 一方で、有声化した/b/,/d/は常に無気音で発音される。
  • /w/と/y/は半母音として扱われ、対応するアルファベットが無い。決まった綴りの中で規則的に発音される。

連続子音の発音

イジェール語の音節は最大でCCVCCの構造を取ることから、4つまで子音が連続する可能性がある。複合語形成の際に綴り字の規則性を維持するために、発音が非常に困難な子音連続が現れることがあり、通常は下記の様に発音される。

  • 唇音+唇音は、m+破裂音を除いて後続子音の長子音になる。
    • vf →/ff/, pv →/vv/など。
  • 歯茎音+歯茎音は、破裂音・破擦音間は後続子音の有声・無声に合わせて前置子音の有声・無声が変化する。
    • dt → /tt/, td →/dd/, → dc → /tc/, ds → /ts/ → /t͡s/など。
  • /ts/, /dz/ はそれぞれ c →/t͡s/, d’ →/d͡ʒ/ 相当の音に変化する。
  • 硬口蓋音+硬口蓋音は、破裂音間では後続子音の長子音になる。
    • kg → /gg/, gk → /kk/ の2つ。

イジェール語における長子音とは、ある子音の発音にかける時間を子音2つ分に伸ばすことを指す。例えば、破裂音である/tt/であれば t の口の形を形成した後で破裂を遅らせるような発音となり、摩擦音である/ss/であれば、摩擦音を生じさせたまま通常の/s/よりも眺めに発音する。