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属格の詳細

  • 初版:2015年04月25日
  • 更新:2022年07月04日

2つの属格について

イジェール語には属格がふたつある。所有属格(-is)は所有、所属、部分の意味を表す場合に用いるのが基本である。わかり易い例を挙げると

  • 所有属格:res boga|私の本=私が所有する本
  • 記述属格:boga ren|私の本=私を書いた本、私が書いた本

という関係がある。

属格による動詞派生名詞の修飾

記述属格は、修飾対象に関して主要格以外の格に相当する意味関係を持つ語として振る舞うことができる。例を挙げると

  • 主格:ze ref vasiee = res vesie
    私が願うこと=私の願い
  • 対格:ze bogau dare = bogas dar
    本を読むこと=本の読み
  • 出格:ze afaveur akze = akz afaven
    駅から出発すること=駅の出発
  • 処格:ze kuvera afe = af kuven
    ここで乗り換えること=ここの乗り換え

のようになる。日本語の「の」に対応する場合でも、表現方法が2種類あることに注意する必要がある。

記述属格の曖昧性

記述属格は上記の様に主要格以外の格としての振る舞いのほかに、語用論的推測による幅広い修飾に使うことができる。

  • nati (zera) renkeu koe n
    リンゴを買った日
  • sadave (zera ref) koae n
    買った店
  • heura (ze) skeniu ubade n
    魚を焼くにおい

前半ふたつの例は、英語的な関係節として解釈しても理解できる。しかし、最後の例は修飾節内と被修飾語の間には格関係が成り立たない。イジェール語においては、これは属格形によるものとされる。このことは、下の文章との対比で理解できる。

  • mihico fanditaris devin
    家族の愛の物語

mihico「話」と dev「愛」には直接の関係はないが、通常の属格の作用の結果、緩やかな関連性が示されている。これと同様のことが句に対して発生しているのが、前述の例ということになる。