BEATLESS読み終わった!
- 2013年04月27日
- 書評
- No Comment
【BEATLESS:長谷敏司 著】読み終わった.とっても面白かった!これはぜひ読んでほしいので,ネタバレなしでいける部分だけ感想書いておこう.
ストーリー自体は一言でいうと「美少女ロボットが降って来て,冴えない男と同居生活する」っていう始まり方をする.でも,話の途中でなぜそうなったかの経緯が説明されていて,特に不自然のない話になっている.やっぱり全編通して一番面白かったのは,「アナログハック」の概念だと思う.ふつう人間は,人間の定義があいまいで,人の”カタチ”をしたものに対してはこころを開いてしまうという”セキュリティホール”がある.だから,人のカタチをしたものであれば,上手く振る舞うことで”カタチ”と”意味”の対応を意図的にズラして,人間のこころに本来無意味なモノ,無価値なモノに価値を埋め込んで誘導することができる…というのがアナログハックの概要.この概念は小説中では非常に重要で,攻殻機動隊で言えば「ゴースト」と同じくらい,話の根幹に関わる.
話の着地点,方向性としては「戦闘妖精・雪風」と同じ方向へ進んでいき,「攻殻機動隊」とは真逆の結論に至る.「なぜ?」という部分を覗き込んでいくことで話が進み,恐ろしい背景に至って成長していく過程は「マルドゥック・スクランブル」に似ていると思う.これらの作品に興味ある人は,読んでて面白いと思うよ!